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合理的配慮とは|どこまで求められて、どこからが難しいのか

基礎知識
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「合理的配慮」という言葉はよく聞きますが、具体的に何がどこまで認められるのかは分かりにくいところです。

この記事では、制度の枠組みと、実際の線引きを整理します。

合理的配慮は企業の義務です

障害者雇用促進法により、事業主には合理的配慮を提供する義務があります。

対象は障害者雇用枠に限りません。一般雇用で働いている障害のある労働者も対象です。

ただし、2つの前提があります。

前提1:本人からの申し出が起点

企業が自動的に察して用意してくれることはありません。

何が必要かは人によって違うため、本人が伝えることで検討が始まります。

伝え方には型があります。

▶ 障害者雇用で配慮事項をどう伝えるか|面接で使える3つの型(https://shogai-work.com/hairyo-tsutaekata/)

前提2:「過重な負担」にならない範囲

企業が対応できる範囲には限度があります。判断の要素として、次のようなものが挙げられています。

・事業活動への影響の程度 ・実現が困難な度合い ・費用や負担の程度 ・企業の規模 ・企業の財務状況 ・公的支援の有無

つまり、大企業と小規模事業所では、実現できる範囲が違います。

同じ配慮でも、通る会社と通らない会社があります。

通りやすい配慮の例

環境の調整

・静かな席への配置 ・イヤーマフの使用許可 ・照明の調整 ・休憩スペースの利用

時間の調整

・通院のための勤務時間変更 ・休憩の分割取得 ・時差出勤

コミュニケーションの方法

・指示を文書やチャットで出す ・作業手順書の作成 ・定期的な面談の設定

業務の調整

・業務の優先順位を明示する ・複数同時進行を避ける ・マニュアル化

この4つの分類に当てはまるものは、比較的通りやすいです。 費用がほとんどかからないためです。

難しいことがある配慮

・設備の大規模な改修 ・専任の支援者を配置する ・業務の本質的な部分を免除する ・他の社員に大きな負担が移る内容

「業務の本質を変える」ものは、合理的配慮の範囲を超えると判断されることがあります。

たとえば、電話応対が業務の中心である職種で「電話に出ない」ことを求める場合、職務そのものが成り立たなくなります。

この場合、配置転換や職種変更として相談するほうが現実的です。

断られたらどうするか

1. 理由を聞く

費用の問題か、他の社員との兼ね合いか、業務上の制約か。理由が分かれば、別の案を出せます。

2. 代わりの案を出す

専用の部屋が難しいようでしたら、現在の席を窓際に移していただくことはできますか

全部か無しか、ではなく、段階を下げた案を用意すると通りやすくなります。

3. 第三者に入ってもらう

ジョブコーチや、障害者就業・生活支援センターに相談できます。

▶ ジョブコーチとは|職場に来てもらえる支援の使い方(https://shogai-work.com/job-coach/)

4. 公的な相談窓口

都道府県労働局やハローワークに相談できます。

障害者雇用促進法に基づく紛争解決の援助という仕組みもあり、助言・指導・勧告や調停を求めることができます。

企業が使える支援制度もあります

企業が障害者を雇用する際、設備の整備や支援者の配置に対して助成金が出る制度があります。

「費用がかかるので難しい」と言われた場合、助成金の存在を知らない可能性もあります。

その場合、ハローワークや地域障害者職業センターから企業に情報提供してもらう形が取れます。

直接こちらから制度の話をするより、第三者経由のほうが角が立ちません。

よくある質問

Q. 入社後に新しく配慮を求められますか

求められます。働き始めてから必要だと分かることは普通にあります。

Q. 一度決めた配慮を変更できますか

できます。状況が変われば見直しの相談が可能です。

Q. 配慮を求めると評価が下がりませんか

配慮の申し出を理由に不利益な扱いをすることは認められていません。

Q. 一般雇用でも配慮を求められますか

求められます。ただし、障害があることを伝えていることが前提になります。

▶ オープン就労とクローズ就労|障害を伝えるか、伝えないか(https://shogai-work.com/open-close/)

まとめ

・合理的配慮は企業の義務。ただし申し出が起点 ・「過重な負担」にならない範囲という条件がある ・環境・時間・コミュニケーション・業務調整は通りやすい ・断られたら理由を聞き、段階を下げた案を出す ・第三者や公的窓口に入ってもらう方法もある

配慮は交渉ではなく、働ける条件のすり合わせだと思っています。

※本記事の制度に関する記述は、厚生労働省の公開資料および障害者雇用促進法の内容にもとづいています。制度は変更されることがあるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。