障害者手帳を持っていると、税金が軽くなる制度があります。
申告しないと適用されないので、知らないまま払い過ぎている人もいます。
障害者控除とは
所得税と住民税の計算で、所得から一定額を差し引ける制度です。
控除額はこうなっています。
| 区分 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 障害者 | 27万円 | 26万円 |
| 特別障害者 | 40万円 | 30万円 |
| 同居特別障害者 | 75万円 | 53万円 |
自分がどの区分か
特別障害者
・身体障害者手帳1級・2級 ・精神障害者保健福祉手帳1級 ・療育手帳A(重度)
障害者
・身体障害者手帳3級〜6級 ・精神障害者保健福祉手帳2級・3級 ・療育手帳B
同居特別障害者は、特別障害者である扶養親族等と同居している場合の区分です。本人が障害者の場合ではありません。
実際にいくら減るか
控除額がそのまま戻るわけではありません。税率を掛けた分が減ります。
例:年収200万円、所得税率5%の場合
・所得税:27万円 × 5% = 約13,500円 ・住民税:26万円 × 10% = 26,000円 ・合計で年間約39,500円
収入が多く税率が高い人ほど、減額の幅は大きくなります。
金額としては大きくありませんが、申告の手間は10分程度です。
会社員の場合:年末調整
勤務先に提出する 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」 に記入します。
「障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」の欄に、該当する区分をチェックします。
手帳のコピーの提出を求められることがあります。 会社の運用によります。
障害者雇用枠で働いている場合
勤務先は障害があることを把握しているので、ここで新たに知られる心配はありません。
一般雇用で伝えていない場合
年末調整で申告すると、勤務先に知られます。
知られたくない場合は、年末調整では申告せず、自分で確定申告する方法があります。
▶ オープン就労とクローズ就労|障害を伝えるか、伝えないか(https://shogai-work.com/open-close/)
確定申告する場合
こんなときに必要です
・年末調整で申告しなかった ・自営業、フリーランス ・年の途中で退職した
手続き
確定申告書の「障害者控除」欄に記入します。
e-Tax(オンライン)でも、紙でも提出できます。
過去の分も申告できます
申告を忘れていた場合、5年前までさかのぼって還付を受けられます。
「更正の請求」または「還付申告」という手続きです。税務署で相談できます。
他にもある税金の軽減
住民税の非課税
障害者で前年の合計所得金額が一定以下の場合、住民税が非課税になる制度があります。
非課税になると、他の制度(医療費の負担軽減など)の条件も変わることがあります。
相続税・贈与税
障害者が相続する場合の控除や、特定贈与信託の非課税制度があります。
自動車税・軽自動車税
一定の要件を満たす場合、減免される制度があります。自治体によって内容が異なります。
預貯金の利子非課税(マル優)
障害者等を対象に、一定額までの預貯金の利子が非課税になる制度があります。
手続きで迷ったら
・税務署の相談窓口(無料) ・確定申告期間中の無料相談会 ・市区町村の税務課
税理士に頼む必要はありません。 障害者控除だけなら、窓口で聞けば教えてもらえます。
よくある質問
Q. 手帳がないと使えませんか
原則として手帳が必要です。ただし、要介護認定を受けている高齢者などには別の取り扱いがあります。
Q. 手帳を取得した年から使えますか
その年の12月31日時点で手帳を持っていれば、その年分から対象です。
Q. 扶養に入っている場合は
扶養している側(親や配偶者)が障害者控除を受けられます。
Q. 障害年金は課税されますか
障害年金は非課税です。確定申告の対象にもなりません。
▶ 障害年金の基本|金額・条件・申請の流れ(https://shogai-work.com/shogai-nenkin/)
Q. 申告を忘れていました
5年前までさかのぼれます。税務署で相談してください。
まとめ
・障害者控除は所得税27万円、住民税26万円(特別障害者は40万円・30万円) ・実際に減るのは年間数万円程度 ・会社員は年末調整、それ以外は確定申告 ・勤務先に知られたくない場合は、確定申告で手続きできる ・5年前までさかのぼって申告できる
金額としては大きくありませんが、手続きをしないと受けられない制度です。
※本記事の税制に関する記述は国税庁および各自治体の公開情報にもとづいています。税額は個人の状況によって異なり、制度は変更されることがあります。実際の申告にあたっては、税務署または市区町村の窓口でご確認ください。

