障害者雇用枠で働くには、原則として障害者手帳が必要です。
ただ、手帳を取ること自体に迷いがある人は多いと思います。私もそうでした。
この記事では、申請の方法と、取るかどうかの考え方を整理します。
手帳は3種類あります
| 種類 | 対象 | 等級 | 更新 |
|---|---|---|---|
| 身体障害者手帳 | 身体の機能に障害がある方 | 1〜6級 | 原則なし(再認定の場合あり) |
| 療育手帳 | 知的障害のある方 | 自治体により異なる | あり |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 精神疾患のある方 | 1〜3級 | 2年ごと |
発達障害は、精神障害者保健福祉手帳の対象になります。 「発達障害者手帳」という名前のものはありません。
療育手帳は、自治体によって名称や等級の表記が違います。東京都では「愛の手帳」、名古屋市では「愛護手帳」と呼ばれています。
申請の流れ
どの手帳も、窓口はお住まいの市区町村の障害福祉担当課です。
1. 窓口で相談する
まず窓口に行き、申請書と診断書の用紙をもらいます。
2. 医師に診断書を書いてもらう
指定の様式があるので、必ず窓口でもらった用紙を使ってください。
診断書の作成には費用がかかります。5,000円前後が一般的ですが、医療機関によって異なります。自治体によっては助成があります。
3. 書類をそろえて提出する
・申請書 ・診断書(または精神障害を事由とする年金証書の写し) ・顔写真(縦4cm×横3cm程度) ・マイナンバーが分かるもの ・印鑑(不要な自治体もあります)
4. 審査を待つ
交付までの期間は、おおむね1〜2か月です。自治体や時期によって前後します。
精神障害者保健福祉手帳の注意点
初診日から6か月以上経っていないと申請できません。
ここでつまずく人が多いところです。受診を始めたばかりの場合は、6か月を待つ必要があります。
また、2年ごとの更新が必要です。更新時にも診断書が必要になります。
障害年金を受けている場合は、診断書の代わりに年金証書の写しで申請できることがあります。 診断書代がかからないので、該当する方は窓口で確認してください。
手帳があると使えるもの
就労に関すること
・障害者雇用枠の求人に応募できる ・障害者向けの転職エージェントに登録できる
税金
・所得税、住民税の障害者控除 ・自動車税の減免(等級による)
公共料金・交通
・鉄道、バス、タクシーの運賃割引 ・携帯電話料金の割引 ・公共施設の入場料減免
その他
・NHK受信料の減免(条件あり) ・障害者用駐車場の利用許可証
割引の内容は等級と自治体によって変わります。 窓口でもらえる案内冊子に一覧が載っています。
取るか迷っている人へ
私も申請するまで時間がかかりました。手帳を持つということが、何かを確定させてしまう気がしていました。
制度の話だけ整理すると、こうなります。
手帳を取ると増えるもの
・応募できる求人の種類 ・使える支援の範囲 ・経済的な負担の軽減
手帳を取っても起きないこと
・勤務先に自動的に通知されることはありません ・一般雇用への応募が制限されることもありません ・返納できます(不要になったら手続きで返せます) ・履歴書に書く義務はありません
つまり、選択肢が増えるだけで、減るものはありません。
ただ、気持ちの部分は制度の説明では解消しません。そこは急がなくていいと思います。
手帳がない段階でも使える支援はあります。
▶ 障害者手帳がなくても使える就職支援|6つの窓口と使い分け方(https://shogai-work.com/techou-nashi-shien/)
よくある質問
Q. 手帳を持っていることは、周りに知られますか
自動的に知られることはありません。障害者雇用枠で働く場合は勤務先が把握しますが、一般雇用で伝えなければ知られません。
Q. 申請が通らないことはありますか
あります。等級に該当しないと判断される場合です。その場合、期間を置いて再申請することはできます。
Q. 等級はどう決まりますか
診断書の内容をもとに、自治体の審査機関が判定します。日常生活にどの程度の支障があるかが基準です。
Q. 手帳がないと障害者雇用枠で働けませんか
原則として働けません。申請中であれば応募できる求人もあります。
Q. 費用はどれくらいかかりますか
診断書代(5,000円前後)と写真代です。手帳の交付自体は無料です。
まとめ
・手帳は3種類。発達障害は精神障害者保健福祉手帳の対象 ・窓口は市区町村の障害福祉担当課 ・精神の手帳は初診日から6か月以上経過してから ・交付まで1〜2か月 ・返納できるので、取ったら固定というものではありません
迷っている段階でも、窓口に相談に行くことはできます。
聞くだけ聞いて、決めるのは後からでも構いません。
※本記事の制度に関する記述は、厚生労働省の公開資料にもとづいています。運用は自治体によって異なる場合があり、内容は変更されることがあります。実際の申請にあたっては、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

