就職が決まると、支援は終わりだと思いがちです。
ただ、本当に大変なのは働き始めてからです。そこを支える制度があります。
就労定着支援とは
就労移行支援などを利用して一般就労した方が、働き続けられるよう支援する福祉サービスです。
障害者総合支援法に基づくサービスで、2018年に創設されました。
対象になる人
・就労移行支援、就労継続支援、生活介護、自立訓練などを利用して一般就労した方 ・就労して6か月を経過した方
就職してすぐは対象になりません。 最初の6か月は、就労移行支援事業所などによる定着支援が行われます。
その後、就労定着支援に移行する形です。
利用期間
最大3年間です。
1年ごとに更新し、最長3年。その後は障害者就業・生活支援センターなどに引き継がれます。
▶ 障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)の使い方(https://shogai-work.com/nakapotsu/)
何をしてくれるのか
月1回以上の面談
支援員と定期的に話します。働くうえでの困りごとを整理します。
企業との調整
必要に応じて、職場を訪問して企業側と話してくれます。
自分では言いにくいことを、第三者から伝えてもらえます。
生活面の課題への対応
・生活リズムの乱れ ・金銭管理 ・通院の継続 ・家族との関係
働き続けるうえでの障害は、職場の中だけにあるわけではありません。
関係機関との連絡調整
医療機関、他の支援機関との間をつないでくれます。
なぜ必要なのか
働き始めてから出てくる課題があります。
・入社時に伝えた配慮が守られていない ・業務量が少しずつ増えている ・人間関係で消耗している ・生活リズムが崩れてきた
こうしたことは、一人で抱えると気づくのが遅れます。
月1回でも話す相手がいると、「最近どうですか」という問いかけで気づけることがあります。
▶ 働き始めて1か月で配慮が外れていく|最初の3か月の乗り切り方(https://shogai-work.com/saisho-3kagetsu/)
利用料
世帯の所得に応じて決まります。
・生活保護受給世帯、市町村民税非課税世帯:0円 ・市町村民税課税世帯(所得割16万円未満):上限9,300円 ・それ以外:上限37,200円
18歳以上の場合、世帯の範囲は本人と配偶者です。
就労して収入を得ている場合、負担が発生することがあります。金額は窓口で確認してください。
利用の手続き
1. 市区町村の障害福祉窓口に相談
2. サービス等利用計画の作成
相談支援事業所が作成します。
3. 受給者証の交付
4. 事業所と契約
多くの場合、就労移行支援を利用していた事業所がそのまま就労定着支援も行います。
通い慣れた場所で、同じ支援員に続けて見てもらえるケースが多いです。
対象外の場合
ハローワーク経由で直接就職した場合など、福祉サービスを経由していないと対象になりません。
その場合は、次の窓口が使えます。
・障害者就業・生活支援センター(なかぽつ) ・ジョブコーチ支援 ・地域障害者職業センター
▶ ジョブコーチとは|職場に来てもらえる支援の使い方(https://shogai-work.com/job-coach/)
支援がないわけではありません。 入口が違うだけです。
使うときのコツ
「特に問題ありません」で終わらせない
面談で聞かれたとき、つい「大丈夫です」と答えてしまいます。
ただ、小さな違和感こそ、早めに出しておくほうがいいです。
・最近少し疲れが残る ・この作業だけ時間がかかる ・この人とのやりとりが負担
具体的に言えると、具体的な対応が返ってきます。
記録を持っていく
日々の記録があると、面談で話しやすくなります。
・その日やったこと ・困ったこと ・体調(3段階くらい)
1行で構いません。
よくある質問
Q. 就職して6か月以内は支援がないのですか
就労移行支援事業所による定着支援があります。切れ目はありません。
Q. 3年経ったらどうなりますか
なかぽつなどに引き継がれます。支援が完全になくなるわけではありません。
Q. 会社に知られますか
企業との調整を行うため、会社も把握します。
Q. 面談はどこでやりますか
事業所、自宅、職場の近くなど、相談して決められます。
Q. 利用をやめることはできますか
できます。必要なくなったら終了できます。
まとめ
・就労移行支援などを経て就職し、6か月経過した方が対象 ・最大3年間、月1回以上の面談 ・企業との調整もしてもらえる ・生活面の課題も相談できる ・ハローワーク経由の場合は、なかぽつやジョブコーチが受け皿
就職はゴールではなく、そこから続けるほうが長いという前提で作られた仕組みです。
※本記事の制度に関する記述は、厚生労働省の公開資料および障害者総合支援法の内容にもとづいています。運用は自治体によって異なる場合があります。実際のご利用にあたっては、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

