就職したあと、職場でうまくいかないことが出てきます。
仕事の覚え方が合わない。上司に配慮を伝えたが伝わっていない。周りとの距離感が分からない。
そういうときに、職場に来て間に入ってくれる人がいます。ジョブコーチです。
ジョブコーチとは
正式には職場適応援助者といいます。
障害のある人が職場に適応できるよう、実際の職場に出向いて支援する人です。
支援の対象は本人だけではありません。上司や同僚に対しても、関わり方のアドバイスをします。
ここが大きな特徴です。本人が変わるだけでなく、職場の側も一緒に調整していく形になります。
3つの種類があります
配置型ジョブコーチ
地域障害者職業センターに所属しています。
センターに相談すると、必要に応じて派遣されます。他の2種類と連携しながら支援することもあります。
訪問型ジョブコーチ
障害者の就労支援を行う社会福祉法人などに所属しています。
企業からの要請や、本人の希望で職場を訪問します。
企業在籍型ジョブコーチ
企業が自社の社員として配置しているジョブコーチです。
同じ会社の人なので、日常的に相談できます。大企業や特例子会社に配置されていることが多いです。
何をしてくれるのか
本人への支援
・作業の手順を一緒に整理する ・効率のいいやり方を提案する ・職場でのコミュニケーションの取り方を相談する ・体調管理と仕事の両立を考える
事業所(会社)への支援
・障害特性の説明 ・指示の出し方のアドバイス ・業務の切り出し方の提案 ・配慮の具体的な方法の提案
家族への支援
・本人への関わり方についての助言
実際にどう進むか
1. 集中支援期
週3〜4日程度、頻繁に職場を訪問します。課題を見つけ、対応を試します。
2. 移行支援期
訪問の頻度を減らしていきます。支援の主体を、職場の人に少しずつ移していきます。
3. フォローアップ
数週間から数か月に一度の訪問になります。
最終的には、ジョブコーチがいなくても職場が回る状態を目指します。
支援期間は標準的に2〜4か月程度、状況に応じて最大8か月程度とされています。
どこに相談すればいいか
地域障害者職業センター
各都道府県に設置されています。ここが配置型ジョブコーチの窓口です。
職業評価(自分に向いている作業や、働ける時間を客観的に見てもらう)も受けられます。
ハローワークの専門援助部門
相談すると、地域障害者職業センターにつないでもらえます。
就労移行支援事業所
利用していた事業所がある場合、そこから訪問型の支援につながることがあります。
▶ 就労移行支援とは|対象・期間・費用と、通ってみて分かったこと(https://shogai-work.com/shuro-ikou-shien/)
勤務先の人事
企業在籍型ジョブコーチがいる会社なら、社内で相談できます。
費用
本人の負担はありません。 公的な制度として運営されています。
使うときのコツ
「うまくいかない」だけでは動けません
何が起きているかを具体的に伝えてください。
・どの作業で詰まるのか ・いつから起きているのか ・どうなると助かりそうか
▶ 障害者雇用で配慮事項をどう伝えるか|面接で使える3つの型(https://shogai-work.com/hairyo-tsutaekata/)
就職前から相談できます
トラブルが起きてからでなくても構いません。就職が決まった段階で相談しておくと、最初から支援を受けられます。
職場の同意が必要です
ジョブコーチが職場に入るには、会社の了解が要ります。面接の段階で「ジョブコーチの支援を利用したい」と伝えておくと、スムーズです。
受け入れに前向きかどうかで、その会社の姿勢も見えます。
よくある質問
Q. 手帳がなくても使えますか
地域障害者職業センターの支援は、支援が必要と判断されれば利用できる場合があります。まず相談してください。
Q. 会社に知られずに使えますか
職場に入る支援なので、会社の了解が前提になります。
Q. 期間が終わったら支援はなくなりますか
フォローアップが続きます。また、障害者就業・生活支援センターなど、別の窓口に引き継ぐこともできます。
Q. 在職中でも使えますか
使えます。就職から時間が経っていても相談できます。
Q. 自分から頼んでいいのですか
いいです。本人からの相談で始まるケースも多くあります。
まとめ
・ジョブコーチは職場に来て支援する人 ・本人だけでなく、上司や同僚にも働きかける ・配置型・訪問型・企業在籍型の3種類 ・窓口は地域障害者職業センターかハローワーク ・費用はかからない ・就職前から相談できる
配慮を伝えても伝わらないとき、間に入ってくれる人がいるかどうかで結果が変わります。
一人で職場と向き合わなくていい、という点が一番大きいと思っています。
※本記事の制度に関する記述は、厚生労働省および高齢・障害・求職者雇用支援機構の公開資料にもとづいています。支援期間や運用は地域・事例によって異なります。実際のご利用にあたっては、地域障害者職業センターにご確認ください。

