就職が決まったときは、うれしさより安心のほうが大きかったです。
ただ、本当に大変なのは入社してからでした。
最初の3か月をどう過ごすかで、その後続くかどうかが決まると思っています。
なぜ最初の3か月なのか
体感の話ですが、入社直後は次のことが一度に起きます。
・新しい通勤ルート ・新しい人間関係 ・覚えることが多い ・気を張っている
このどれもが、普段より多くのエネルギーを使います。
しかも、疲れていることに自分で気づきにくい時期です。最初は緊張で持ちますが、1か月ほど経ってから一気に来ます。
1か月を過ぎたころに、状況が変わります
ここが一番書いておきたいことです。
1か月ほど経つと、仕事に慣れてきます。 手順を覚え、指示されなくても動けるようになります。
それ自体はいいことです。ただ、同時にこういうことが起きます。
初心者として扱われなくなります。
最初は「まだ入ったばかりだから」と気にかけてもらえます。作業も、量を調整してもらえていたりします。
それが、慣れてきたと見なされた時点で、少しずつ戻っていきます。
免除されていた業務が、戻ってくることがあります。
私の場合、入社時に外してもらっていた作業が、気づいたら普通に回ってくるようになっていました。一般雇用の人とほとんど変わらない内容をこなしていた時期があります。
誰かが悪意でそうしたわけではないと思います。できるようになったから任された、というだけの話です。
ただ、こちらの体調の条件は変わっていません。
「できるかどうか」と「続けられるかどうか」は別です。一時的にできても、その負荷が毎日続けば、いずれ限界が来ます。
慣れてきた時期こそ、確認が要ります
1か月を過ぎたあたりで、一度確認してみてください。
・入社時に決めた配慮は、いまも守られているか ・業務量は、最初と比べてどう変わったか ・その量で、来月も続けられそうか
「できているから大丈夫」ではなく、「続けられるか」で見てください。
ここで気づけると、調整を頼めます。3か月経ってから限界が来るより、ずっと軽く済みます。
ただ、この時期は「誰に言えばいいか」が分かりません
ここが難しいところです。
配慮が外れていることに気づいても、入社1か月では、誰に何を言えばいいのか分かりません。
・直属の上司なのか、人事なのか ・この人は話を通してくれる人なのか ・言ったことがどこまで共有されるのか ・誰と誰の間に、どういう関係があるのか
人間関係が見えていない状態で、自分から切り出すのは、かなり難しいです。
私はここで止まりました。言ったほうがいいと分かっていても、言う相手が分からない。そのまま時間が過ぎていきました。
だから、入社前に決めておきます
この問題の解決策は、1か月目に頑張ることではなく、入社前に決めておくことだと思っています。
内定が出た段階、あるいは入社初日に、これだけ聞いておいてください。
体調や業務量について相談したい場合、どなたに相談する形になりますか
一文で済みます。
人間関係が分からなくても、「この人に言えばいい」と決まっていれば、言えます。
逆に、ここが決まっていない職場だと、慣れてきた時期に何が起きても、伝える先がないまま進みます。
面接の逆質問でも聞ける内容です。
▶ 障害者雇用の面接で聞かれること|質問10個と答え方(https://shogai-work.com/mensetsu-shitsumon/)
1. 最初の1か月は「慣れること」だけでいい
早く戦力になりたいと思います。私もそうでした。
ただ、最初の1か月にやるべきことは、仕事を覚えることより毎日通うことだと思っています。
・同じ時間に起きる ・同じ経路で通う ・同じ時間に帰る
これができている状態を先に作ります。
仕事の速さは後から上がります。 通い続けられなければ、速さは意味を持ちません。
2. 帰宅後に何もできなくても、それでいい
最初のころ、帰ってから何もできませんでした。
食事の用意も、片付けも、翌日の準備も。ただ座っている時間が長くなりました。
これを「情けない」と思っていたのですが、いま考えると当たり前のことでした。慣れない環境で8時間過ごせば、それだけで消耗します。
やったほうがいいこと
・食事は簡単なもので済ませる準備をしておく ・休日にまとめて作っておく、または買っておく ・「帰ってから何もしない」を前提に、生活を組む
回復に時間を使うのは、サボりではなく必要な作業だと思っています。
3. 配慮が守られていないときは、早めに言う
入社前に伝えた配慮が、現場に届いていないことがあります。
人事には伝わっていても、直属の上司には共有されていない。よくある話です。
このとき、黙っていると後が大変になります。
3か月我慢してから言うより、2週間で言ったほうが軽く済みます。
伝え方
入社時にお伝えした〇〇の件ですが、現場では別の形になっているようです。△△の状態になると作業の精度が落ちるので、□□の形にしていただけると助かります。
面接のときと同じ形で構いません。
▶ 障害者雇用で配慮事項をどう伝えるか|面接で使える3つの型(https://shogai-work.com/hairyo-tsutaekata/)
慣れてきた時期の「戻り」にも、同じことが言えます。
免除されていた業務が戻ってきたとき、「前はやらなくてよかったはずですが」と言うのは気が引けます。できるようになったのだから、と思ってしまいます。
ただ、そこで一度確認しておかないと、そのまま定着します。
〇〇の作業ですが、入社時は外していただいていたものです。いまは対応できていますが、毎日続くと△△の状態になりそうです。週△回程度に調整いただくことはできますか
全部を断る必要はありません。量を調整してもらう形でも、負荷はかなり変わります。
4. 相談先を、入社してすぐ確認する
「何かあったら言ってください」と言われることがあります。
ただ、誰に言えばいいのかが決まっていないと、いざというときに言えません。
入社したら早い段階で確認してください。
・体調について相談する相手は誰か ・定期的な面談はあるか ・急な休みの連絡は誰にすればいいか
社外の相談先も確保しておくと安心です。
・障害者就業・生活支援センター ・ジョブコーチ ・就労移行支援の定着支援
社内で言いにくいことを、外の人に相談できる状態を作っておくと、追い詰められにくくなります。
▶ 障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)の使い方(https://shogai-work.com/nakapotsu/)
5. 記録をつける
毎日、短くていいので記録を残すことをおすすめします。
・その日やったこと ・困ったこと ・体調(3段階くらいで十分)
これが後で効きます。
体調が落ちてきたとき、いつから始まったのかが分かります。面談のとき、具体的に話せます。何ができるようになったかも見えます。
1行でいいです。続けることのほうが大事です。
6. 3か月目に一度立ち止まる
慣れてきたころに、一度振り返ってみてください。
・続けられそうか ・何がきついか ・何か変えられることはあるか ・入社時の配慮は、いまも守られているか
ここで無理が見えたら、早めに手を打ったほうがいいです。
・勤務時間を調整できないか ・業務の内容を変えられないか ・配慮を追加できないか
辞めるかどうかの前に、調整できることが残っていることは多いです。
【追記できます:3か月目にどんな状態だったか】
続かなかった経験から
私は過去に、続けられなかった職場があります。
そのときを振り返ると、この記事に書いたことをどれもやっていませんでした。
・疲れていることに気づかないまま続けた ・配慮が届いていないのに言わなかった ・相談先を確認していなかった ・記録をつけていないので、いつから悪化したか分からなかった ・慣れてきた時期に業務が増えたことを、言えないまま続けた
▶ 障害者雇用で2社続かなかった私が、次に見るようになった3つのこと(https://shogai-work.com/tsuzukanakatta/)
続かなかったのは、たぶん根性の問題ではありませんでした。やり方を知らなかったという部分が大きいです。
まとめ
・最初の1か月は「通い続けること」を目標にする ・帰宅後に何もできなくても、それは普通のこと ・1か月を過ぎると初心者扱いされなくなり、免除されていた業務が戻ってくることがある ・「できるか」ではなく「続けられるか」で判断する ・相談先は入社前に決めておく。1か月では人間関係が分からず、自分から切り出せない ・配慮が届いていないときは、早めに伝える ・相談先を社内と社外の両方に作る ・1行でいいので記録をつける ・3か月目に立ち止まって振り返る
最初の3か月は、成果を出す期間ではないと思っています。
続けられる形を作る期間です。そこができていれば、後からいくらでも積み上がります。

