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障害者手帳がなくても使える就職支援|6つの窓口と使い分け方

就労支援
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体調に不調はあるけれど、障害者手帳は持っていない。

診断は出ているが手帳は申請していない。あるいは、診断を受けるかどうかも迷っている。

そういう状態だと、就職支援は自分には関係のない話に見えてしまいます。

ただ実際には、手帳がなくても使える窓口は複数あります。このページで整理します。

先に結論

手帳がなくても使える支援は、主に6つあります。

  1. ハローワークの専門援助部門
  2. 地域障害者職業センター
  3. 障害者就業・生活支援センター
  4. 就労移行支援
  5. 自立支援医療
  6. 地域若者サポートステーション

このうち1〜3は、相談するだけなら手続きもほぼ要りません。

手帳が必須になるのは、基本的に「障害者雇用枠の求人に応募するとき」です。支援を受けること自体は、手帳がなくても始められます。

なぜ勘違いされやすいのか

「障害者向けの支援=手帳がないと使えない」と思われがちなのは、障害者雇用枠の応募条件が手帳だからです。

障害者雇用枠と一般雇用の違いについては別の記事にまとめました。

▶ 障害者雇用と一般雇用は何が違うのか|当事者が5つの違いを整理しました

ただ、就職の「支援」のほうは、法律上の根拠も対象者の定義も別です。手帳を持っていなくても、困っている状態であれば相談先になります。

順番に見ていきます。

1. ハローワークの専門援助部門

ハローワークには、障害や病気のある人の相談に応じる専門の窓口があります。

一般の窓口とは別に「専門援助部門」という案内が出ていることが多いです。番号札を取るときに窓口が分かれています。

手帳がなくても相談できます。主治医の意見書などがあれば、より具体的な話に進めます。

ここでできること。

・体調に合わせた求人の探し方の相談
・応募書類の書き方
・障害や病気をどう伝えるか(あるいは伝えないか)の相談
・他の支援機関への紹介

無料で、予約も原則不要です。一番ハードルが低い入口だと思います。

2. 地域障害者職業センター

各都道府県に設置されている専門機関です。独立行政法人が運営しています。

ここの特徴は「職業評価」を受けられることです。

作業を実際にやってみて、自分がどんな作業に向いているか、どのくらいの時間なら安定して働けるかを、客観的に見てもらえます。

自己申告ではなく第三者の評価が出るので、企業に配慮を求めるときの根拠にもなります。

ジョブコーチ(職場適応援助者)の支援もここが窓口です。就職した後に職場へ来てもらい、仕事の覚え方や職場との間の調整を手伝ってもらえます。

手帳がなくても、支援が必要と判断されれば利用できます。

3. 障害者就業・生活支援センター

通称「なかぽつ」と呼ばれています。全国に300か所以上あります。

名前のとおり、就業面と生活面の両方を見てくれるのが特徴です。

・仕事探しの相談
・生活リズムや金銭管理の相談
・関係機関との連絡調整
・就職後の定着支援

「働きたいけれど、まず生活を整えるところから」という段階の人に向いています。

こちらも手帳は必須ではありません。

4. 就労移行支援

一般企業への就職を目指して、訓練と就職活動の支援を受けられる福祉サービスです。原則2年間利用できます。

これも手帳がなくても利用できる場合があります。

必要になるのは、医師の診断書または意見書です。そのうえで、お住まいの市区町村が「支援が必要」と判断すれば受給者証が発行されます。

ただし、判断の基準は自治体によって差があります。「うちは手帳がないと難しい」と言われるケースもあれば、診断書だけで通るケースもあります。

まずは市区町村の障害福祉窓口で確認するのが確実です。

利用料は前年の世帯収入によって決まります。多くの人が無料か、月額上限9,300円のいずれかに該当します。

5. 自立支援医療

これは就職支援そのものではありませんが、就職活動を続けるうえで効いてきます。

精神科への通院にかかる医療費の自己負担が、原則1割になる制度です。

手帳は不要です。医師の診断書と申請書を市区町村に出せば利用できます。

通院と服薬を続けながら就職活動をする場合、医療費の負担が軽くなるかどうかは、続けられるかどうかに直結します。

手帳より申請のハードルが低いので、先にこちらだけ取っておくという使い方もあります。

6. 地域若者サポートステーション

15歳から49歳までを対象にした、働くことについての相談窓口です。通称「サポステ」。

障害や診断の有無は問われません。

・働くことに不安がある
・ブランクが長い
・何から始めればいいか分からない

こうした段階から相談できます。コミュニケーション訓練や職場体験も用意されています。

診断はないけれど生きづらさがある、という状態の人にとっては、最初の相談先になりやすい場所です。

難病のある人も対象になります

障害者総合支援法では、指定された難病のある人も福祉サービスの対象に含まれています。

対象疾病は定期的に見直されており、現在は300を超える疾病が指定されています。

手帳が取れない疾病でも、診断書があれば就労移行支援などを利用できる可能性があります。該当するかどうかは市区町村の窓口で確認できます。

手帳を取るかどうかの考え方

支援を受けながら活動していると、どこかで「手帳を取るかどうか」という判断が出てきます。

私が整理している考え方はこうです。

手帳を取ると増えるもの。

・障害者雇用枠に応募できる
・交通機関や公共施設の割引
・税金の控除

手帳を取っても起きないこと。

・勤務先に自動的に通知されることはない
・一般雇用への応募が制限されることもない
・返納もできる(取ったら一生固定ではありません)

つまり、選択肢が増えるだけで減るものはない、というのが制度上の実態です。

ただ、手帳を持つこと自体への気持ちの引っかかりは、制度の説明では解消しません。そこは急がなくていいと思っています。

支援だけ先に使い始めて、必要になったら申請する。その順番で問題ありません。

よくある質問

Q. 診断名がついていなくても相談できますか

ハローワークの専門援助部門、サポステは相談できます。就労移行支援や自立支援医療は、医師の診断書が必要です。

Q. 相談したら手帳を取るよう勧められませんか

選択肢として説明されることはあります。ただ、決めるのは本人です。断っても支援が打ち切られることはありません。

Q. どこから行けばいいですか

迷ったらハローワークの専門援助部門です。予約が要らず、必要に応じて他の機関につないでくれます。

Q. 費用はかかりますか

1・2・3・6は無料です。就労移行支援は世帯収入に応じた負担があり、多くの人は無料です。

まとめ

手帳がなくても使える支援を、もう一度整理します。

・ハローワークの専門援助部門(予約不要・無料)
・地域障害者職業センター(職業評価・ジョブコーチ)
・障害者就業・生活支援センター(就業と生活の両面)
・就労移行支援(診断書+自治体の判断)
・自立支援医療(医療費の負担軽減)
・地域若者サポートステーション(15〜49歳・診断不問)

手帳が必要になるのは、障害者雇用枠に応募する段階です。そこに至るまでの支援は、手帳がなくても受けられます。

働けるかどうかを一人で判断する必要はありません。判断材料を集めるところから、誰かに手伝ってもらって構わないと思っています。

※本記事の制度に関する記述は、厚生労働省および障害者総合支援法の内容にもとづいています。制度の運用は自治体によって異なる場合があり、また内容は変更されることがあります。実際のご利用にあたっては、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。