障害者雇用の求人は、一般の求人サイトにはほとんど出てきません。
探すには専門のエージェントを使うことになりますが、調べ始めると会社名が10社以上出てきて、どこがどう違うのか分からなくなります。
私は東京にいたころ、dodaチャレンジ・atGP・マイナビパートナーズ紹介を使いました。そのあと札幌でハローワークを使っています。
結論から書くと、実際に就職が決まったのはハローワーク経由でした。
その理由も含めて、正直に整理します。
先に結論
・相談相手がほしいなら → dodaチャレンジ
・自分で求人を探したいなら → atGP
・実際に決まりやすいのは → ハローワーク(特に地方)
・年収を上げたいなら → ランスタッド(私は未利用です)
どのサービスも無料です。複数使っても費用はかかりません。
使ってみて分かった、一番大きな違い
エージェントとハローワークは、役割が違います。
エージェント=伴走してくれる人がつく
自分の特性を整理してくれる。応募書類を見てくれる。面接の受け答えを一緒に考えてくれる。
ハローワーク=求人の数がある
特に地方では、エージェントに求人がなくてもハローワークにはあります。法定雇用率の対象になる企業は、ハローワークに求人を出すためです。
この2つは競合しません。併用が正解だと思っています。
私の場合も、相談と準備はエージェントで整えて、最終的に決まったのはハローワークの求人でした。どちらが欠けても、あの結果にはなっていません。
1. dodaチャレンジ
運営:パーソルダイバース株式会社(パーソルグループの特例子会社)
対象:身体・精神・知的の各手帳をお持ちの方。一部求人は申請中でも対象
エリア:全国対応(希望勤務地によっては紹介できない場合あり)
使った感想
東京にいたときに使いました。面談はオンラインでした。
一番よかったのは、担当者が私の特性とやりたいことを尊重してくれたことです。
「この求人なら受かりそうだから応募しましょう」ではなく、私が何をやりたいのか、何が苦手なのかを先に聞いてくれました。そのうえで求人を出してくる、という順番でした。
印象に残っているのは、面接の前日に、面接で何を話すべきかを一緒に考えてくれたことです。
障害の説明をどう伝えるか、配慮事項をどの順番で言うか。ここが一番不安な部分だったので、前日にそれを整理してもらえたのは大きかったです。
「サポートします」と書いてあるサービスは多いですが、前日に時間を取ってくれるところまではなかなかありません。
向いている人
はじめてエージェントを使う人。面接で何を話せばいいか分からない人。相談相手がほしい人。
dodaチャレンジの公式サイトを見る(無料・パーソルダイバース運営)

注意点
私が使ったのは東京でのことです。地方だと紹介できる求人の数が変わる可能性はあります。
2. atGP(アットジーピー)
運営:株式会社ゼネラルパートナーズ
対象:障害者手帳をお持ちの方
エリア:全国。求人が多いのは北海道・宮城・東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・兵庫・福岡
使った感想
私は求人サイトのほうを使いました。エージェントに相談する形ではなく、自分で検索する使い方です。
atGPはサービスが4つに分かれています。
・転職相談に乗るエージェント
・自分で求人を検索できるサイト
・就労移行支援事業所(atGPジョブトレ)
・新卒向けの就職支援
人に相談するのが負担な時期でも、求人サイトなら自分のペースで見られます。「まだ誰かと話す気力はないけれど、どんな求人があるかは知りたい」という段階で使えるのが利点でした。
向いている人
自分のペースで探したい人。まず相場を知りたい人。人と話すのに気力が要る時期の人。
atGP(アットジーピー)の公式サイトを見る(無料・求人検索もできます)
3. マイナビパートナーズ紹介
運営:株式会社マイナビパートナーズ(マイナビグループの特例子会社)
対象:障害者手帳をお持ちの方
エリア:首都圏・関西・東海を中心に展開
使った感想
正直に書きますが、あまり印象に残っていません。
悪い対応をされたわけではありません。ただ、他のサービスと比べて記憶に残る出来事がなかった、というのが実際のところです。
複数のエージェントを並行して使っていると、こういうことは起こります。担当者との相性や、そのときの求人の状況によって、体験は変わります。
向いている人
担当者自身が障害のある当事者であることが多いとされているので、「障害について一から説明するのが負担」という人には合う可能性があります。私の場合はそこまで実感する場面がありませんでした。
4. ランスタッド
運営:ランスタッド株式会社(オランダ発の人材サービス企業)
対象:障害者手帳をお持ちの方
エリア:首都圏を中心に展開
これは私が使っていないサービスです。
調べた範囲では、障害者雇用の中でも年収帯が高めで、管理部門や専門職の求人を扱っているとされています。
未経験からの就職や短時間勤務を探す人には向かない可能性があります。
使っていないので、体験としては書けません。候補としてだけ挙げておきます。
5. ハローワーク(専門援助部門)
運営:厚生労働省
対象:障害や病気のある方。手帳がなくても相談できます
エリア:全国。地域の求人に強い
使った感想
実際に就職につながったのは、ここでした。
対応はとても親切でした。窓口の担当者が時間をかけて話を聞いてくれて、こちらの状況に合わせて求人を出してくれます。
エージェントほど「一緒に戦略を考える」という感じではありませんが、地域の企業のことをよく知っています。「あの会社はこういう雰囲気ですよ」といった話が出てくるのは、地元の窓口ならではです。
そして何より、求人の数があります。
法定雇用率の対象になる企業はハローワークに求人を出します。地域の中小企業の求人は、ここに集まります。
エージェントで「ご希望の地域には求人がありません」と言われた場合でも、ハローワークには出ていることがあります。
向いている人
地方在住の人。地元で働きたい人。手帳がまだない人。まず求人の実物を見たい人。
弱点
予約なしで行けるぶん、待ち時間が出ることがあります。応募書類の添削や面接練習は、エージェントほど手厚くはありません。
比較表
| サービス | 運営 | 求人の傾向 | エリア | 手帳 |
|---|---|---|---|---|
| dodaチャレンジ | パーソルダイバース | 大手・柔軟な働き方 | 全国 | 必要(一部申請中可) |
| atGP | ゼネラルパートナーズ | 幅広い・訓練併設 | 全国 | 必要 |
| マイナビパートナーズ紹介 | マイナビパートナーズ | グループ企業中心 | 都市圏 | 必要 |
| ランスタッド | ランスタッド | 専門職・高年収帯 | 首都圏中心 | 必要 |
| ハローワーク | 厚生労働省 | 地域の中小企業 | 全国 | 不要 |
何社使えばいいか
2〜3社が現実的です。
1社だけだと、紹介される求人がその会社の在庫に限られます。担当者との相性という問題も出てきます。
一方で5社登録すると、面談の日程調整と連絡のやりとりだけで疲れます。体調に波がある状態では、この負担が無視できません。
私の経験からのおすすめ
・地方在住の人:ハローワーク + dodaチャレンジ
・都市圏の人:dodaチャレンジ + atGP
・まだ人と話す気力がない人:atGP(求人サイト)から
一番強いのは「ハローワークで求人を探し、エージェントで準備を整える」という組み合わせだと思っています。
使うときに知っておくといいこと
紹介された求人を全部受ける必要はありません
エージェントは成約すると企業から報酬を受け取る仕組みです。応募を勧めてくることがありますが、断って関係が悪くなることはありません。
配慮事項は具体的に伝える
「体調に波があります」だけでは伝わりません。
・通院で月1回、平日に休みが必要
・急な予定変更が苦手なので、事前に共有してほしい
・音に敏感なので、静かな席が望ましい
このくらい具体的だと、企業も判断しやすくなります。事前にメモを作っておくと、面談で言い忘れません。
私の場合、dodaチャレンジの担当者がこの整理を手伝ってくれました。自分ひとりでは言語化できていなかった部分です。
担当者が合わないときは変更を頼めます
多くの会社で担当者の変更を受け付けています。相性の問題は能力の問題ではないので、遠慮する必要はありません。
よくある質問
Q. 複数登録すると企業に重複して応募してしまいませんか
同じ求人に別ルートで応募すると、企業側で重複が判明します。応募前に「他社からも紹介されています」と伝えれば調整してもらえます。
Q. 登録したら必ず就職しないといけませんか
いいえ。情報収集だけの利用も可能です。
Q. 費用はかかりますか
すべて無料です。エージェントは企業側から報酬を受け取る仕組みなので、求職者の負担はありません。
Q. 結局どれが一番いいですか
目的によります。相談相手がほしいならdodaチャレンジ、求人の数ならハローワークです。
まとめ
・エージェントとハローワークは競合しない。併用が現実的
・準備を整えるのはエージェント、求人の数はハローワーク
・私が実際に決まったのはハローワーク経由
・dodaチャレンジは、面接前日に一緒に考えてくれたのが大きかった
・2〜3社が現実的な数
働き方を決めるのは自分ですが、選択肢を集める作業は人に手伝ってもらって構いません。
一人で求人サイトを眺めているより、誰かに「こういう求人もありますよ」と言ってもらえるほうが、視野は広がります。
※本記事は筆者個人の利用経験にもとづくものです。担当者やタイミングによって体験は変わります。各社のサービス内容・対象エリアは変更されることがあるため、実際のご利用にあたっては公式サイトで最新の情報をご確認ください。

