面接で「配慮が必要なことはありますか」と聞かれて、「特にありません」と答えたことがあります。
必要なことはありました。それでも言えませんでした。
この記事では、なぜそうなるのかを考えてみます。
言えなかった理由
振り返ると、いくつか重なっていました。
1. 採用されたかった
配慮を求めると、採用が遠のくと思っていました。
手がかからない人のほうが選ばれる。そう考えていました。
2. 迷惑をかけたくなかった
すでに「障害者雇用枠で雇ってもらう」という立場だと感じていました。
その上でさらに注文をつけるのは、図々しいことのように思えました。
3. 言葉にできなかった
これが一番大きかったかもしれません。
「体調に波があります」としか言えませんでした。
具体的に何が起きるのか、どうしてほしいのか。それを説明する言葉を持っていませんでした。
聞かれても答えられないので、「特にありません」で切り抜けるほうが楽でした。
4. 自分の状態を把握していなかった
何が負担になるのか、自分でも分かっていませんでした。
働いてみて初めて「これが辛かったのか」と気づく、という順番でした。
「特にありません」の結果
配慮がないまま働き始めることになります。
企業は、伝えられていないことに対応できません。 当たり前の話です。
そして、後から言い出すのはもっと難しくなります。
「最初に特にないと言っていたのに」と思われるのではないか。そう考えて、さらに言えなくなります。
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企業側から見るとどうか
採用する側の立場で考えると、見え方が違います。
障害者雇用枠で募集している時点で、企業は配慮を前提にしています。
そこで「特にありません」と言われると、
・本当に何もないのか ・言いたくないことがあるのか ・自分の状態を把握できていないのか
判断がつきません。
むしろ、整理して伝えられる人のほうが「一緒に働けそうだ」と判断されます。
これは、支援員から聞いて初めて知ったことでした。
言葉にする作業は、一人では難しい
いま振り返ると、問題は勇気ではありませんでした。
言葉を持っていなかったことです。
転職エージェントの担当者と話したとき、面接の前日に時間を取ってもらって、何をどう伝えるかを一緒に整理しました。
そのときに出てきた言葉が、いまも使えています。
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自分の中にあるものを、人に説明できる形にする。
これは自己分析ではなく、翻訳に近い作業だと思います。相手がいたほうがうまくいきます。
伝えるときの形
整理すると、3つの要素で足ります。
1. 何が起きるか 2. どうなると困るか 3. どうしてもらえると働けるか
最後が「できません」ではなく「できます」で終わるのが要点です。
▶ 障害者雇用で配慮事項をどう伝えるか|面接で使える3つの型(https://shogai-work.com/hairyo-tsutaekata/)
いまは3つに絞って伝えます
全部言う必要はありません。
「これがないと続けられない」ものを3つだけ。
あったら嬉しい程度のものは、入社後に相談すれば十分です。
3つに絞ると、企業側も「それなら対応できる」と判断しやすくなります。
もし、いま言えないとしても
無理に言わなければならない、という話ではありません。
言葉が出てこないときは、まだ整理ができていないということです。
・支援機関に相談する ・エージェントの担当者と話す ・ハローワークの専門援助部門で聞いてもらう
人に話しているうちに、言葉になっていきます。
▶ ハローワーク専門援助部門の使い方|初回で聞かれることと持ち物(https://shogai-work.com/hellowork-senmon/)
まとめ
・「特にありません」は遠慮ではなく、情報を渡さないこと ・言えない理由の多くは、言葉を持っていないこと ・企業側は配慮を前提にしている。何もないと言われるほうが困る ・3つの要素で整理すれば伝わる ・一人で言葉にするのは難しい。相談相手がいたほうがいい
配慮を伝えることは、できないことの申告ではありません。
どういう条件なら働けるのかを共有する作業です。
